aiQは、日本市場に最も包括的かつ洞察に富んだオルタナティブデータソリューションを提供することに尽力しています。この度、当社のデータセット aiQ Geolocation に「滞在タイプ」という新たなデータ項目が加わりました。この新機能により、フットトラフィック(人流)のよりきめ細かく正確な分析が可能となり、企業KPIとの相関性が飛躍的に向上します。
aiQ Geolocationとは?
aiQ Geolocationは、日本市場で利用可能なモバイル位置情報に基づく人流データにおいて、最も広範なカバー率を誇ります。 従来のデータソースとは一線を画し、人々の動きを詳細に捉えることで、消費活動や生産活動に貴重な示唆を与えます。 このデータセットは、日本最大の携帯電話キャリアから提供されており、GPSベースのソリューションと比較して、基地局から派生する膨大で安定したデータプールにより、一貫性のある豊富なデータ量を提供できることが強みです。
aiQ Geolocationにおいて私たちが特に焦点を当てているのは、日本全国に工場や製造拠点を有する工業メーカーです。これには、自動車メーカー、自動車部品メーカー、半導体メーカーなどが含まれます。これらの拠点における従業員のフットトラフィック(人流)を追跡することで、各拠点の操業状況を推し量ることが可能になります。
新データ項目「滞在タイプ」- 人流を行動特性で分類
既存のデータ項目、geo_fence(全日の人流)やgeo_fence_ot(夜間の人流)はすでに有効性が証明されていますが、「滞在タイプ」の導入により、個々のスマートフォンの移動パターンから推測される行動属性に基づいた、より高度な分析が可能になります。

この機能により、各拠点の目的に最適なトラフィック量を、柔軟かつ実用的に選択・分析できるようになりました。例えば、工場の「勤務者」トラフィックのみを分析することで、近隣住民のデータを除外してノイズを排除し、企業業績のより明確なシグナルを抽出できます。

滞在タイプ:企業KPI予測精度を飛躍的に向上
広範なバックテストの結果、「滞在タイプ」の追加がフットトラフィックと前年同期比(YoY)四半期売上高との相関性を大幅に改善することが実証されました。


- 期間: 2023年1月から2024年12月
- KPI: 四半期売上高の前年同期比
- aiQ Geolocation: geofenceと滞在タイプ(Residence/Worker/Other)の中で各銘柄の相関性が最も高い値を探索し、geofenceと比較
- ラグ: -1ヶ月から+3ヶ月までのラグの中で各銘柄の相関性が最も高い値を探索
相関改善の具体例
滞在タイプの有効性を示す、バックテストからの事例をご覧ください。
a. 自動車メーカー:株式会社SUBARU (7220 JT Equity)
自動車および航空宇宙部門で知られる同社の場合、「作業員」フットトラフィックの前年同期比変化を分析することで、連結四半期売上高YoYとの相関性が劇的に改善しました。


- 売上高: 会社が発表した四半期売上高(連結)の前年同期比(YoY)
- aiQ Geolocation: 滞在タイプ「勤務者」の前年同期比(YoY)
- ラグ: aiQ Geolocationを+2ヶ月シフト
- 場所: 自動車工場(群馬)、航空宇宙工場(栃木、愛知)、本社(東京)
既存のgeofenceデータが0.600の相関を示したのに対し、「勤務者」データは0.983という極めて高い相関となりました。
b. 半導体テストシステム:株式会社アドバンテスト (6857 JT Equity)
自動テスト装置でトップシェアを誇る同社も、大幅な改善を示しました。


- 売上高: 会社が発表した四半期売上高(連結)の前年同期比(YoY)
- aiQ Geolocation: 滞在タイプ「勤務者」の前年同期比(YoY)
- ラグ: aiQ Geolocationを0ヶ月シフト(=シフトなし)
- 場所: R&D(群馬、埼玉、宮城、福岡)、工場(群馬)
geofenceデータは0.627の相関でしたが、滞在タイプ「勤務者」データは0.900と向上しました。
c. 電子部品メーカー:株式会社村田製作所 (6981 JT Equity)
大手電子部品メーカーである同社の場合、滞在タイプの影響は特に顕著でした。


- 売上高: 会社が発表した四半期売上高(連結)の前年同期比(YoY)
- aiQ Geolocation: 滞在タイプ「勤務者」の前年同期比(YoY)
- ラグ: aiQ Geolocationを+1ヶ月シフト
- 場所: R&D(京都、滋賀、神奈川)、工場(京都、滋賀)、子会社工場(福井、石川、等)
既存のgeofenceデータが-0.147という負の相関を示したのに対し、勤務者を示す「Worker」データはこれを0.931という強い相関に劇的に改善しました。
「滞在タイプ」が予測的優位性の獲得に貢献
これらの事例は、aiQ Geolocationデータが、滞在タイプの追加により、予測的優位性を獲得しようとする金融機関にとって強力なツールであることを明確に示しています。 企業KPIとの相関性が劇的に改善されたことで、より正確で、より洗練された予測分析が可能になります。
当社の強化されたデータセットは、日本市場における高度な投資戦略をサポートし、プロアクティブな意思決定に資する貴重な洞察を提供するために特別に最適化されています。
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